ところが、そんな僕の目の前に、ある一冊の書物と運命的な出逢いが起きた。
その方へ出した僕の一通の手紙から、帝国ホテルに数十年にわたり住む、
その人物との面談に臨んだ。
ここで、現代風に表現すれば「エグゼクティブ・コーチング」を受けることを
決めたのであった。
海外では「経営者にコーチがつく」という話題は、
過去に二回見聞きしていたことを覚えていた。
それは、高校時代のアメリカン・フットボール部の日系アメリカ人監督、
もうひとつは、カナダの留学時代であった。
当時、決して安い金額ではなかったが、
生涯の私の財産となる数々の教えは、私の身体に沁みていったのであった。
この6ケ月間という短期間に徹底的に叩き込まれた数々の教えは、
その後私を大きく、そして力強く形作られることとなった。
なかでも、2つの大きな御示唆が出された。
一つが、「4心」。
◎本質を見極める心があれば、迷いがなくなる
◎本質をつく言葉があれば、無駄話がいらない
◎本質を聞き分ける力があれば、悪意を聞き逃さず
◎本質を見抜く眼があれば、認識を見誤ることない
【 物事の本質を見極める正しい心を持ち、
適切な言葉を選んで語り、
人の話をじっくりと聞きその真意を理解し、
見極めた上で正当に決断する 】
2つ目は、
この「4心(感性・器)」を、
いかに企業の成長規模に合わせて、「経営者の器」としても同じく
横に広げていくのか・・・
実は、これが僕の想像もしなかったことをその人物から教えられたのであった。