さて、
私が入社した際に、先代が私に宣言した通り・・・
当時の日本社会では年齢からすれば、大変若い
30歳で僕は社長に就任した。
先代は会長、相談役にも残らず、
その日から一度も顔を見せなくなった。
私も「社長」という立場になって、
初めて見える景色をじりじりと感じることになるのであった。
それまでは、講演会・勉強会にも積極的に出席し、
視野狭窄にならぬように「間」を取っていた僕であったが・・・
始発で出社し、終電がなくなるまで週末も関係なく、
毎日のように働く日々・・・
仕舞には、寝袋を持ち込み社長室に寝泊まりを始め、
家にも帰らなくなった。
このように、この機を境に外部との交流を一切断ち、
社業に注力するようになった。
こういう良くない環境を作っていった原因の一つは、
同世代の友人が、誰一人いなかったこともあげられる。
また、特定の先輩経営者に教えを請うたり、
一対一でのお付き合いをする相手もいなかったこともあるだろう。
誰に頼ることなく、天涯孤独のようなゾーンに
迷い込んでいくことになったのであった。