では、ここで当時「笹川スタイル」のエグゼクティブ・コーチについて
クライアントの先輩経営者が、どんな感想、印象を持たれたのかを紹介しよう。
『息子の年齢に近いにもかかわらず、笹川くんはドシっと腹が座っており、
どこか普通の若い世代とは明らかに違うと思った。
とは言え、ゴマもすらないし、私の話に調子よくを合わせることもしない。
だからと言って、彼から何か具体的に指示が出るわけでもないし、
間違いを指摘することもない。
ただ、私の何に感じたかは定かではないが、彼の発する言葉、感じたもの、
必要であろうと思われる視点・考えていることを、私の思考の枠外から、
欲得抜きに正直にしゃべる。
はじめは、少なからず彼から具体的に目に見える何かが、出てくるような期待も
しないわけもなかったが、それは私の大きな誤解であることにたってから、
気づかされた。
もう、彼との付き合いも5年目を迎える。
今なっては、歳の差も意識しなくなる。
良いことがあろうとも、悪いことがあっても月一回会って、私が自然体となって
「しゃべる相手」が、私にはいる。
彼との面談終了後、一人歩きながら普段なかなか興味が向かないテーマ、今まで取り
組むことを先のばししてきた課題へ自然と目が向けられるようになっている自分が、
そこにはいる。
残念ながら、世の社長たちは、誰しもがそんな素の自分を開けっぴろげにできる
人間というのは、社内にも社外にも見当たらないのでないだろうか』
(61歳・自動車製造業)
『何物にもとらわれず、フラットな関係性で対話ができる相手は、
社長には滅多にいないものだ。
もう、彼とはこういう付き合いをスタイルで6年になる。
彼が選んでくる対話場所は、当初は本当に驚きを隠せなかったが、
今となっては良き機会だったような気持ちが残る。
銭湯、ボーリング場、美術館、コンサートホール、六大学野球などなど、、、
社長になってからは、すっかり出かけることがなくなってしまったエリアだらけだ。
ついつい、社業に追い立てられるうちに、決まった場所、決まった人間としか、
会わない、いや関心が行かなくなってしまっている自分に気付かされる。
彼の面談場所を変えてくる意味は、ある時期からやっとわかるようになった。
それは、人間という生き物は相手、場所が変わるだけで、自分の思考や感性が
これほどまでにも、自由に柔らかなくなるものかと・・・
今までの同じ人間かと戸惑うほどに、自分の中から新しいイマジネーションが
湧いてくるから、不思議なものである・・・
この彼との出会いから、いかに社長として視野や考え方が狭くなってしまっているこ
とを、つくづく反省させられた』。
(64歳・不動産デベロッパー)
『笹川さんから対話場所に指定されたのは、とある映画館。
「主人公の視点で、観てきて下さい」と、一人だけ映画館へ放り込まれる。
終演後、喫茶店で待っている彼と合流するが、ケーキを食べながら終始黙っている。
仕方なく、ぽつぽつと私が喋り出すこと10分・・・
笹川さんは「もう、答え出ましたね」と言われたが、私はどうも釈然としない。
すると「これから3日間、その意味を自らに問おうて、みてください。
必ず気づきますから」と一人言い残して、彼は消えていったのであった。
そこから3日間、突きつけられたホームワークに向き合ってみることになった。
なかなか、その答えは見つからなかったが、やっととても重要なことに気づく。
答えを教えてもらうのではなく、自身が気付くことの大切さ。
そういう自身で掴んだ答えにこそ、とても大きな価値が含まれていることも
知った瞬間であった。
そのきっかけが彼を通し、自問自答することなのだろうと確信し始めている』。
(63歳・医療系販売会社)