当時、私のような35歳の若造のクライントになってくださった経営者は、
僕よりはるかに年上の経営者、50~60歳の世代だった。
つまり、自分の頭で答えを導き、決断を出して行ける世代であった。
だから、私みたいに気の利いたことが言えなくとも、
「人の話を唯心悠々と聞く」くらいしか取り柄がなくても、
彼らは、私との対話の中で「自分の力」で整理されていく術を
もっていたような気がする。
そして、彼ら大人たちが、共通して僕に言ってくれたこと考え方は、今でも忘れない。
『笹川さんは、プレイヤーではなく、コーチとして試合を俯瞰的に観える場所だから
こそ、我々経営者が埋没している場所、固定観念に縛られている状況とは、まったく
異なる角度から言葉、何気ない投げかけが飛んでくる。
と同時に、一般的には我々のような年上の世代が、笹川さんのような年下相手と
共に時間を過ごしても疲れないし、嫌な気分や怒るような気持ちにはならないは、
本当に不思議なこと。
息子やNo2に対して、経営上の独り言を自然と口に出すことは、おいそれと出来
るものではない・・・
笹川さんでなければ担えぬ、御役目なのであろう』。