この天職を今、この年齢を重ねてやり続けている僕にとって、
いくつかの原風景が思い出される。
1つが、昭和1ケタの師匠との仕事。
社会人1年目であったが、上司は社長である師匠。
何も教えない。
わからぬことを聞きに行っても、その質問の仕方が少しでも的から外れると、
答えてくれない。
この時の経験知は、
「人間は、自問自答して答えを出さざるを得ない」ことを知った。
そしてそういう「答え」こそ、
自ら見つけたものになるので、己の血肉となることを・・
もう一つは、高校時代のアメリカンフットボール。
僕のポジションは、フルバック。
ボールをもって、ディフエンスが待ち受ける中央へ突っ込んでいくのが主な役目。
その時、日系二世の監督から口酸っぱく言われた言葉は今でも忘れない・・・。
『ミスター笹川、ガードもタックルも君のためにブロッキングはしてくれるが、
本当に走れる穴(隙間)を見つけるのは、君の眼だぞ。
人を頼らず、自分の走るルートを見つけ、自分のアサイメント(役目)を果たせ』
さて、一般的にはコンサルタントは、経営者に代わり課題を解決し、
時にはその解決の実行を担う。
それ対してエグゼクティブ・コーチは、
クライアントが自分で考える力、気づく感性を高めることを目指す。
経営者自らの力で課題を解決する「答え」は、
実は経営者自身のインサイドに必ず眠っている。
とはいえ、実業ではスピード感も必要なので、
時には問題解決を優先した僕からの助言をすることはあるが・・・