ところで、貴方はどうして「教養」を身につけたいと考えているのでろうか?
知的に見られたいから?
尊敬に値する人間と称賛の声を集めたいから?
そんなチープな考えをおもちであれば、
時間の無駄であるし、
目先の仕事を「俺流」で取り組んだほうが、
よほどマシだと僕は思う。
というのも、教養を積み重ねて行くという行為は、
忍耐 忍耐 忍耐
が伴うから・・・
また、月日を重ねて蓄積された教養が、
本当に役に立つという保証もない・・・
一時期ブームのように現れた「教養」が、
大々的に特集を組まれた雑誌も一度だけは、拝読したが、
肝心なことを言い尽くされておらず、概念的な内容止まりで
「教養」の真の姿を捉えることができた経営者は、
ほぼいないだろう・・・
では、僕が24歳より28年間にかけて
飽きずに、サボることなく積み上げてきた「教養」という
不可解な正体について、私見を紹介しよう。
私は、経営者としていつの時代にあっても
「2つの視点を忘れぬように」と、立派な大人より遺言を受けている。
この歩みは、間違いなく私が棺桶に足を突っ込むまで
永遠に続けられ、誰にも止めることはできないだろう。
まず1つが、仕事全般に関係する事柄を「勉強、研究、調査」すること・・・
至極当然なこと・・・己の稼ぎに直結するからね。
もう1つが、仕事とは全く関係ない世界、領域、分野の事柄を「嗜む」こと・・・
こちらは、直接仕事に関係するテーマでないことが多いし、成果も誰からも
求められることが、ない。
だから、己の強い意志と目に見えぬ力を信じる勇気が求められる。
「教養」について、【 有史以来、人間が考えてきたことすべて 】
であると僕が述べたことを覚えてくれているだろうか・・・
「教養」は、
決まった目的、目標に関わらず己のインサイドに蓄えていくと、自然といつの間にか
【答えのない問題に出くわした時、問題解決能力として遺憾なく発揮してくれる武器】
になっているという代物・・・
当時、僕をお側において頂いた立派な大人らは、このように静かに囁いた。
『一生勉強・・・これが、教養習得の最良のコツである。
実業から離れた分野を枠を決めずに、
広く、自由に、答えを求めずに吸収する・・・
さすれば、問題解決の際に一番大切な、
” 問題そのものを正しく認識する能力 ”が、自分のものとなる。
人間は、自分が見たいもの、こうなってほしいという欲望、
錯覚に惑わされて、物事を見る第一段階の判断を見誤まる・・・
それが人の上に立つ者であったら、どうなるか・・・』
つまり、経営者の性格、業種によって培われた専門分野に
【 とらわれず、かたよらず、こだわらない 】
モノの見方、捉え方、考え方が大事であると・・・経営者には、特に・・・
その問題解決能力さえ、きちんと機能さえすれば、
あとは、
・コミュニケーション能力
・知識や情報ツールとして使いこなす能力
などは、さほど重要度は高くない。
年々、パターンなき難題が、後から後から経営者の前に現れるが、
この「教養」という無形資産の力は、派手さなくとも強力である。
さあ、少しは「教養」の真の姿が見えてきただろうか?