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「日本」が好きになれる人が増えれば嬉しい・・・

2笹川良一物語 (あとがき)

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しかしながら、今から60年前にまだ「公益活

動」の概念すら日本社会に存在していなかった

時代に、これら一連の仕組みを誕生させた良一

の人物評価は、すこぶる悪い。

それは残念ながら、良一の死後にいたっても払

拭することは未だできていない。

 

私は、その本質的な要因には、大きく2つある

と考えている。

 

一つは、良一の人格形成における家庭教育から

授かった人生の指針が、強烈に影響している。

『国家国民のために行なう行為で、法律に触れ

ることがあっても、良心に恥じなければ責め

ぬ。大衆の幸福と信ずれば思い切ってやれ。

俺が死んでも、俺の魂はお前の背に乗って、お

前を守り通す』、『お前は汚い世の中を掃除す

るために授かったお告げの子。世のため人のた

めになる人間になるのだ』というような両親か

ら受けた厳しい教育を、良一は人生を通して実

践し生きることになる。

 

だからこそ、弱き者をいじめる悪者には、真正

面から戦いを挑める。

人々が躊躇して言えぬことでも、良一は誰に気

にすることもなく正論を吐ける。

このように人がやれないことを平然と実践して

しまう人間への世間からの風当たりは大きく吹

くものの、良一は一切気に留めることはなかっ

た。

良一の広大無辺な誠実さと高潔さをもって、自

分の信ずる道を邁進していけたのは、まさに理

想と現実をしっかりと見据えるバランス感覚と

家庭教育の賜物であろう。