《 経営者である僕がスーツ・ネクタイを脱ぎ、ほぼ日常生活を着物で過ごすようになるまでのお話 》
僕が45歳になった、平成26年12月4日~7日、マカオアメリカ商工会議所の会頭より「ボールルーム・パーティー」の招待を受けて、人生初めて着物で出席することになったのであった。
会頭との出会いは、知人を通じて、同年9月に日本人の奥様を伴って来日したことがスタートだった。
多摩川競艇場の視察及び会食を共に過ごし、日本のIR法案可決の見通しなど深い議論を行った。
さて、本題へ話を戻そう。
パーティーへ着物で出席するきっかけは、ある財界人の何気ない一言からであった。
「こういったパーティーは、ほとんど男性はタキシードが定番。
まして、マカオであればカジノ企業のCEOも多数出席するだろう。
また当日の出席者のほとんどは、中国の方々なのであれば、
ここは日本人の存在を明確に示すためにも笹川君は、着物で出席されてみては?」。
僕は、着物を着たこともなかったが、「これは面白いことになるぞ」という確信めいたもので、気持ちが定まるまで、さほど時間はかからなかった。
ただ、現地において着付師を見つけなければならない大きな問題が残ったが、
幸い人づてに「着物を着せられる人間」が見つかり、安心してマカオへ飛んだのであった。