こうやって私の人生・五十四年を振り返ってみますと、見えない不思議な糸に導かれて隣国との間に、民間人として数々の体験をさせて頂けてきたものだと思います。
しかしながら、昨今二国間の政治にも増して、両国民における相手国に対する理解、認識に乖離が拡がっていることが、大変気がかりである。
これは、国家が自主独立し尊厳を維持することと隣国と対立することは、別次元な問題を混同しているように思えて仕方がない。
現在、そういう時代の流れの中で、民間外交の経験をしてきた私が思うことは、文化の違いを一点に一致させることに固執することにエネルギーを浪費させない。
双方の違いを理解し、認め合えるような仕組みを機能させる。触れ合う機会をどんな事態が、両国で起きたとしても忍耐強く対話ルートを確保する。
二○二○年、日中友好七団体の文化交流部より、新しき設立された法人格の会長へ私は就任した。
理事長は、中国の駐在歴が長い四十才と若く、今後日本の民間外交機能を有したどんな組織になるのか・・・