知り合いの落語家が、
「あの師匠はフラがあるね」と
評することがある。
「フラ」とは、
持って生まれた愛嬌のことを指すらしい。
さて、この「持って生まれた愛嬌」と
いうものは、キャリアが長くなればなるほど、
持ち続けることはそう容易ではない。
なぜならば、多くの誘惑に惑わされないもの
が、その人物になければ「フラ」は一瞬にして
消えるからだ。
残念なことに、消えた「フラ」を再び手にする
ことは叶わない。
そういう意味において、xx女史はどんな逆境に遭遇されようが、「フラ」を片時も傍から離すことなく歩んでこられた、稀有な人物である。
そこには、書家として彼女の魂を磨き続けた長い、長い月日と共に取り組んできたライフワークが影響しているものと、私は確信している。
それは海外に赴き、多くの人々に日本の伝統芸術を長きにわたり民間外交を精力的におこなってきたこと。
そして千日回峰行の修行僧の如く、人知れず壮絶な苦行を課してきた歴史があること。
その結果、見えざる神の御導きにより、現在では書道界において誰も届かぬレイヤーに本人も知らないうちに鎮座しているように、私からは見えている。
さて、私は「第31回xxxxの世界展」の看板を仰ぎ見ている。
このように、毎回初めてxx作品と遭遇した、あの日を懐かしく思う時間。
今回は、そんな彼女の人生を通しての集大成となる個展。
来場される皆様と共に、広大なxxxワールドを堪能できる幸せを心より嬉しく思う。
不尽
皇紀2684年 竹笋華
世界一家人類皆兄弟姉妹
笹 川 能 孝