第二幕第二場:飛躍の時
良一は、亡き西出清との縁から、十機の飛行機
を買えることになり、繋がりができた陸軍関係
者から、ある要人を自家用飛行機で満州国にお
連れして欲しいとの依頼を受けた。
その要人とは甘粕正彦であり、良一は甘粕の紹
との面談に成功し、その際に溥儀の側近だった
川島芳子と初めて出会うことになる。
帰国後の良一は、さらに飛行機を買い集めて、
国粋義勇飛行隊を結成し、遂には大阪府下に自
家用飛行場を建設することになった。
また、良一が買い取った国防社という出版社を
最盛期には党員が五十万人に達したが、「大衆
右翼」を名乗る良一は、当選のために嘘を言わ
なくてはならない可能性があり、また必ず利権
が絡んでくるであろうことから、決して国会議
員は出さないとのポリシーを崩さない。
康成は同居している松林秀子との結婚を決める
が、良一の家庭はうまくいっていなかった。