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「日本」が好きになれる人が増えれば嬉しい・・・

6笹川良一物語(あとがき)

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さて謹んで申し上げるが、本書を通じて笹川良

一の汚名返上を獲得する気持ちは、私には毛頭

ない。

それに良一自身もそんなことを望んでいない。

 

読者に求めることは、ただ一点である。

 

「日本人の正しきアイデンティティを、己のインサイドにしっかりと植えつけよ」。

 

いま正に国家として日本に欠如していること

は、偉大な政治家の出現、日本国憲法の改正、

日米同盟の見直しではない。

 

我々日本人一人ひとりが、しっかり自分の脳味

噌と心の臓で物事を考える。

そして、日本の置かれている現実から目をそら

さずに素直に観る。

そうすれば読者は、いまから「本物の日本人」

に生まれ変われるスタートラインに立てるわけ

だ。

偽物の日本人の鎧は脱ぎ捨てて、あるべき日本

の姿を考え直していこうではないか。

 

万一、本書が読者に大きなパラダイムシフトを

もたらすことができなかったとすれば、この出

版には何一つ大義を果たすことができなかった

ことを恥じ、我々も公共から消え去る他ないだ

ろう。

 

それは同時に「JAPAN」という箱は残った

としても、我々が愛した「本当の日本」はこの

土地から溶けて失くなることを意味する。