さて、著者として本書を出版した2つの問題意
識を読者に伝えておかなければならない。
一つは、戦争を体験していない世代の台頭があ
る。日本の戦後生まれの割合は、人口の86%
に達し、衆参国会議員の戦後生まれの割合も9
8%に達する。
戦争を知らない世代がある一定数を超えると、
現実的に各国で争いごとが起きていく可能性が
高まる。
これは、否応なく戦争体験から遠ざかる我々日
本人においても、これからの時代のなかで過去
の平和主義を継承していくために、我々の能力
と歴史に対する向き合い方が試されている。
特に、国会においては、このテーマで議論を行
うためには共通基盤を広く確保した上で、現実
的に国体と国防を考えていく必要があると、私
は考える。