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「日本」が好きになれる人が増えれば嬉しい・・・

最終版 あとがき

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物語の終わりに際し(笹川能孝)

 

今年、戦後七十八年目にあたり、広島でサミッ

トが開催されました。

 

そして、戦争体験を持たない日本人の割合(令和

三年総務省の人口推計)が、総人口の八十六%に

達し、さらに国政を担う国会議員の戦後生まれ

の割合(令和四年国会議員要覧の集計)に至って

は、実に九十八%を占めるまでとなりまし

た。 

 

この事実は、「戦争」を抽象的に捉える人々が

増え、戦争行為すらも肯定するような論調が表

出する社会がやってくる危険があることを示し

ているのではないかと、私は考えています。

 

さて実は、ショッキングなデータがあります。

それが、世界価値観調査 (令和四年)です。

「あなたは進んで、わが国のために戦います

か」という設問に対して、日本は「戦う・十

三%」(ワースト一位)、「わからない・三十

八%」(トップ一位)」という結果が出ているの

です。

 

そこで、私と河合保弘とで結成している「鵺の

会」は、今まで表舞台に出てこなかった、悪名

高き笹川良一を令和の時代に蘇らせることを決

めました。

 

その理由は、彼が戦前・戦中・戦後を、誰に対

しても忖度することなしに、正々堂々と生き

た、稀有な日本人の一人だからです。

 

そして良一と共にその時代を歩み、颯爽と生き

た日本人たちとのやりとりを紹介しながら、未

来の若者のために学校では教えないホンモノの

日本の近現代史を、誰もが学べる作品として創

り出そうと考えました。

 

ところで、笹川家の家庭教育を紹介した「笹川

流」に登場した愚息も二十六歳に成長しました

が、最近、陸上自衛隊予備自衛官になるた

め、予備自衛官補に応募し、招集教育訓練を履

修する予定であることがわかりました。

 

日本が侵攻されたなら、国民として領土をどう

守るのか?日本が戦争に巻き込まれたら、国民

として何ができるのか、若しくはすべきことは

何か?徴兵制がなく訓練を受けていない国民

が、日本を守ろうとした場合、戦うために実践

的に必要なことは何か?という強い問題意識の

もと、一国民として彼は新しい行動を取ったも

のだと私は捉えています。

 

最後に、本書を通して読者には「平和」という

ものは、決して誰からも与えられるものでない

ということをわかってもらいたいのです。

 

ひとりひとりの小さな努力の積み重ねがあり、

そういうエネルギーが結び合い、広がっていく

ことが、我々国民のできること、果たすべきこ

とだと、私は思っています。

 

そして、今までタブーとされてきた戦争、国

防、平和といった話題が、日常生活のなかで普

通に話し合える社会となるためのキッカケに、

本書が役立つことを望んでいます。

 

令和五年(皇紀二六八三年)秋

笹川能孝