もう1つは、ウォー・ギルト・インフォメーシ
ョン・プログラム(戦争についての罪悪感を
日本人に植えつけるための宣伝計画)の功罪で
ある。
世論調査「国のために戦うか?」では、「日本
のために戦う」と答えたのは13%(世界最下位)。
これは、日本人が国民として国への忠誠心、公
共の利益のための献身精神を極端に喪失してい
ることを意味する。
さらに、先進国の中でも非常に多い精神疾患者
数・自殺者数は、日本人として生命力の弱体化
にも大きく影響をきたしていると、私は考えて
いる。
つまり、近年国際社会において日本の存在感
(発言力、魅力)が顕著に低下している本質的
な原因が「ここにある」と私は確信を持ってい
る。
そのためには、どうしても日本を守り戦い抜い
たあの時代のことを、今一度真正面から見つめ
直す必要があると、私は考えた。
そこで、盟友・河合保弘と私は、あの激動時代
の主人公を良一に務めさせることに決めた。
抜擢の理由は政府や財閥に忖度なしで、良一の
独自の視点と自由闊達に語ることができる稀有
な日本人だからである。
調は子供でさえも親しみを感じさせ、当時のこ
とをほとんど知らぬ大人にも十分理解しやすい
工夫がされていることを付け加えておこう。