私が日本人として「天皇」という存在が、
明確に自分の中に認識された原点をここに記しておこう。
あれは、僕が小学3年生の時・・・
大阪から母方の祖母が上京して家に泊まっていた時だった。
祖母は歴史に大変詳しく、子供でもわかりやすく説明をしてくれた。
僕は、そのための専用ノートを作ったくらいだ。
そのなかで、今までも祖母が言って聞かせ、鮮明に記憶していることがある。
「よしたかちゃんなあ、織田も豊臣も徳川もスゴイ武将だったけど、
そんなのはときの権利者だから、大したことない。
時代が変われば、ときの権力者が死んで、全然血も繋がっていない変わってばかり。
総理大臣が、変わるのと同じこと・・・・
でもね、それよりも何千年にもわたり血を絶やさず、ある一つの同じフアミリーが、
ずっと日本にはいるのよ。
それが、天皇陛下とその家族(皇室)なの」と。
僕は、そんな話を聞いたものだからびっくり仰天・・・
そこで、こんな質問を祖母にした。
「教科書には、○○天皇、〇〇天皇って名前は出ているけど、みな名前が違うけど、
お父さん、おじいちゃん、ひいおじいちゃんということ?」
祖母は「その通りよ・・・昭和の前が、大正時代、その前が明治時代、
その前が慶応時代のように・・・1978年間、同じ家族の血を持つ人が
継承してきたの・・・」。
そこで、僕は「だったら、そんなに偉く人だったら、
どうして教科書のなかで、ちゃんと説明しないの?」
祖母は「それはな、第二次世界大戦で日本が負けことにとても関係しているの。
アメリカが戦争に勝ち、よしたかちゃんが使っている教科書に本当であれば書かれて
いるはずの内容が、すべて消されたのね。
それが、主に天皇に関する部分・・・
戦前、私が小学生で使っていた「国民の修身」という教科書には、一・二年生で
「テンノウヘイカ」、三年生で「皇后陛下」というページがきちんとあったの。
それと、教室の黒板の上に天皇陛下と皇后陛下のお二人の写真も飾ってあったり、
普通の家にもそういう写真が壁に飾られていたのよ」。
あと、国旗も国家についても祖母は私に話をしてくれた。
「今でも祝日とかに近所など国旗が外に掲げあげれているけれども、戦前はほぼすべて
の家に国旗が挙げられていたのよ・・・国家を歌うことも、毎朝朝礼で教室や校庭で歌
っていたのよ」。
「それら日本人として当たり前に行われてきたことが、戦争に破れたことで、
がらった変わってしまったの・・・そして、戦争を始めた悪人というイメージを、
今まで日本人が当たり前に尊敬していた天皇陛下という存在にすり替える外国の人々、
さらには日本人にもそういう人がでいるのよ」
最後に、祖母はこう言って締めくくった・・・
「私の夫は戦争で亡くなった・・・
よしたかちゃんのお母さんは父親を知らないの。
戦争で亡くなっていった日本人は、ものすごい人数がいる。
そのことを時の政府の一番偉い人、そして天皇に責任を負わせたいと
いう親族の気持ちは、分かる。
でも、そんなことをしても死んだ人は帰ってこないの・・・
恨み、復讐からは、ミライは決して生まれて来ない・・・
そして数千年にわたって歴代の天皇陛下が継承してきた歴史と文化が、
止むに止まれぬ世界情勢のなかで、たった一回の異国との戦争に負けたことだけで、
我々国民が、日本を形成している国体、天皇制を否定すること。
これは、日本という国が何の特徴もない普通の国になってしまうことなのよ」