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笹川流との出会い004

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会長は自身のことを”売れない歌舞伎役者”だと冗談で表現する。

 

何も知らない人が会長からそう言われたら、たしかに歌舞伎役者に見える。

 

それだけ華があり、持ち物にすら華がある。

 

例えば傘。

 

着物の時は武士のような出立ちで、スーツの日は紳士・ジェントルマンの装い。

 

身なりをそこまで意識したことのない、傘はビニール傘しか持っていない不動産屋にはそれは衝撃的で、確実に自分の内側は感化され変わった。


身なり、動き、使う言葉含めた、これが大きなファミリーネームを背負う人の内側から滲み出てくる何か。

 

それは付け焼き刃で今から自分がしようとしても決して真似できない何か、おそらく幼少期から叩き込まれた何か。

 

それが笹川流として本に著した笹川家の教えなのだと改めて気づいたのは、何度か本を読み返した後だった。

 

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