“A級戦犯容疑者、不起訴のちに釈放”
“巣鴨プリズン”
“昭和の妖怪、岸信介”
そして「日本のドン、笹川良一」
と検索結果には書かれていた。
すごいところに来てしまったという焦りと不安で、どのくらい道を歩いたか記憶が殆どない。
一軒家スタイルのレストランに着き、大きな円卓を皆で囲みゲストを待った。
そして笹川会長がやって来た。
こんなに「颯爽」と現れた人を、さわやかで勇ましい姿の人を見るのは初めてだった。
人の形をしているけれど、中身は人ではないようなただならぬオーラを全身から放っていた。
漫画:ベルセルクにおける「グリフィス」の初登場シーンのような神々しさ。
あの得体の知れないオーラ、雰囲気は一体何なんだと興奮が醒めず、会食が終わった後もしばらく東横線に乗れなかった。
そして会食中話題に出た「笹川流」という本を早速Amazonで買い、数日後届いてすぐ読み耽った。
あれが「本物の男」だということをその時に知った。