「せじけんぶんろく」。
これも古文書の勉強のなかで突然私の目前に
現れた書物。
江戸時代後期に書かれた社会批判の書。
武士、百姓、寺社人、医業、陰陽道、盲人、
公事(くじ)訴訟、町人、遊里売女(ばいた)、
歌舞伎、米穀雑穀其外(そのほか)諸産物、
日本神国、非命に死せる者、土民君のことに
区分けし、各項目について痛烈な批評を加えて
いる。
江戸後期の村落や江戸の状況などをはじめ、社
会各層の生活実態を知ることのできる書物とし
て研究者らに活用されているようだ。
時代背景は、寛政の改革で引き締められていた
風俗が崩れて,絢爛たる化政文化が起ころうと
する十一代将軍徳川家斉の時代。
武士をはじめ社会の諸階級の内部矛盾・弊害を
身分別に記すとともに,それに対する政策とし
て富の平均化と風俗の匡正を提言した書。
中下層身分の状況を詳述した風俗随筆であるの
みならず,卓抜な政論としても知られる。
いよいよ江戸時代の底なし沼に、私の足も取ら
れるようになってきたようだ。
さて、どこまで行ってしまうだろうか?