世界最高峰のオーケストラの一つ、ベルリン・フィルで、女性初の首席指揮者に任命されたリディア・ター。
彼女は天才的な能力とそれを上回る努力、類稀
なるプロデュース力で、自身を輝けるブランド
として作り上げることに成功する。今や作曲家
としても、圧倒的な地位を手にしたター。
プレッシャーと新曲の創作に苦しんでいる最
中、かつてターが指導した若手指揮者の訃報が
入り、ある疑惑をかけられたターは追いつめられていく──。
第95回アカデミー賞では、主要6部門にノミネ
ート。作品賞をはじめ、トッド・フィールドが
監督賞、脚本賞、ケイト・ブランシェットが主
演女優賞にノミネートされた他、編集賞、撮影
賞候補にも選出された。
私は中学でトロンボーンを、そしてその後おお
かたのクラシック曲をCDで聴き終えた。
むろん、指揮者によってオーケストラの雰囲気
はガラッと変わる。
映画でミュージシャンがテーマになることはよ
くあるが、指揮者はそうそうあるものではな
い。
どう映画作品として描いてくるかが、去年より
公開を待っていた大作だ。