第一幕第七場:後継ぎ
良一の父の鶴吉は、後継ぎの良一に、自分の命
がそう長くはないことを告白し、良一は父の後
を継いで商売人になることを決意して、そのこ
とを康成に告げるが、康成は良一の器はもっと
もっと大きいと考えていた。
その後、父が死去して店を継いだ良一は、国家
国民のために尽くせとの父からの遺言を守るた
め、笹川家の莫大な財産を投資で増やそうと考
えるようになり、最初は反対していた母のテル
も応援してくれるようになって、良一は稀代の
大相場師として、巨万の富を築き上げることに
なる。
大正十二年(一九二三年)九月一日、関東大震
災が首都を襲った。
などの作家仲間と被災地を見て回り、文学者と
して後世に向けての記録を残す責務を感じる。
同じ頃、良一も上京して被災地を見て回り、い
よいよ自分の財産を国家国民のために使う日が
近いことを感じていた。
上野あたりで二人は擦れ違うのであるが、互い
に気付かないまま、それぞれの生活に戻って行
くのであった。
※第一章「お空の上の世界:花の巻」に登場す
る花たち
キブシ
デイジー
アルストロメリ