今から、5年前・・・イタリアへ出かけた時の話だ・・・
各分野の現地の人々の触れ合いをしているうちに、
特に、各界の第一人者である70歳前後の方々も多くおられたので、
ボクは、こんな質問を投げかけてみたのであった。
「アメリカは自由、フランスは平等などそれぞれ国ぶりを示す国体という特徴が、
あります。ついては、イタリアの国体を示すものとして適切と思われる形容詞、
ワードがあればお聞きしたい」・・・
こういう事柄に適切に回答を頂けそうな5名の人々から返ってきたのは、
少々驚きを持ってボクは耳にしたのであった。
【イタリアは国家統一が、まだ200年しか経過していないので、
そういう事柄に成体した言葉が、分からない】
ローマ帝国、ルネッサンス、日本でもおなじみの有数なブランドの名前を
貴方も耳にしている、イタリアである・・・
さて、「国体」と「政体」いう意味がわからない人のために、ボクなりの解釈を
記しておこう。
「政体」は、外交、国防、治世などをその時代時代に合わせて、運営していく
企業の実務クラスのような存在だと、ボクは定義している。
一方、「国体」とは、その国特有の形のことを指すが、企業で言えば株主。
それも、私ごとへ利益誘導を行わぬ何十代も続く株主のようなものかな・・・
現在、この両方を備えている国は、国連加盟国のなかで20数カ国程度・・・
つまり、戦争や植民地化によって、歴史の連続性が切れて、
その「国らしさ」という国体を放棄せざる負えない国が、
ほとんどを占めていることを意味している。
そして、その国が長年大事にしてきた国体が消えてしまった国は、
その代わりを求めていく先を探す、または誕生させる必要が出てくる・・・
それが、憲法。
端的に言えば、
時の政体がその国が、むかしむかしから大事にしてきた「権威的存在(国体)」の代わ
り、権力の正当性を憲法に肩代わりさせる・・・