第三幕第二場:原点
巣鴨プリズンに収監中の良一は、かつての良一
の成功を妬む者たちによって、身に覚えのない
嫌疑をかけられるが、心ある占領軍の将校たち
によって嫌疑は晴らされた。
獄中の良一は、体が不自由だった元外務大臣の
重光葵をはじめ、入獄してくる者たちを支援
し、心を通じ合わせることで、以後の「世界は
一家、人類は皆兄弟」という思想の原点を作り
上げることになる。
を一身に背負って処刑され、良一は無罪となっ
て放免されたが、東條たちの心を後世に伝えな
ければならないと考えていた。
その頃、康成は志賀直哉の後を受けて日本ペン
クラブの会長職に就くことになったが、戦中戦
後の財政難を立て直し、また国際ペンクラブへ
の復帰を目指さなければならないという難しい
仕事を引き受けることとなる。