「人間は遊ぶ存在である」。
これは、オランダ歴史家、ヨハン・ホイジンガ
の有名な言葉。
ホモ・サピエンスならぬ、『ホモ・ルーデン
ス』という隠れた名著があるのは意外と知られ
ていない。
「人間のもろもろのはたらき、生活行為の本
質、人間存在の根源的な様態は何か?」との問
想から論証し、遊びの退廃の危機に立つ現代に
冷徹な診断を下す記念碑的名著。
私の本棚にも並んでいるが、手に取っては戻し
の繰り返しで、なかなかページが進まない。
このホイジンガを知るきっかけは、カジノ誘致
活動を行っている過程で、有識者を各方面から
招聘し研究会を開催したタイミングであった。
この遊びに関する研究者、東洋大学の教授が
わかりやすくお話してもらったことを今でもく
っきりと覚えている。
つまり、どんなもっともらしい事柄であっても
一番初めは、全て遊びから派生しているとい
う。
それはいいのだが、最近日本人が遊び方を忘れ
たのではないかと、心配になる。
「遊び」は普遍的で幾つになってもできるもの
もあれば、成熟するに従い上達するもの、果て
しなくゴールが見えないようなものなど、自ら
が安住の地を捨てて、新しいゾーンへ「移動」
をさせていくのもオトナならではないだろう
か?
オトナよ
オトナらしく遊ぶ