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花街、向島へ

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向島は、浅草から見て隅田川の向こうにある

雅な街から町の名前がついた。

 

江戸の時代から花街として栄え、料亭・置屋

和菓子店が多く軒を連ね、社寺・文豪の名所と

いった観光資源が多くある土地である。

 

在籍する芸者数が東京で最も多い花街で、その

人数は東京の芸者の半数近くを占める。

アルバイトとして半玉の姿で座敷に花を添える

「かもめ」という存在は、向島が発祥である。

 

ところで、松尾芭蕉の登場により江戸中期以

降、俳諧連歌などの会席が料理茶屋で開かれ

るようになる。

さらに、舞踊、邦楽で宴席に興を添え、客をも

てなす女性の職業として芸妓の形が生まれる。

 

さて、私と向島との付き合いは、毎年1回、芸

妓、地方を呼び、経営者15名前後で宴を催すよ

うになってからだ。

 

元々は、赤坂金龍ではじまった私が主宰を務める会合の宴席から始まったものであった。

しかしながら、金龍が閉店になったので向島

代田へ場所を移動した。

 

やはり、花街ごとに雰囲気が違い、殿方の表情

や喋り方も変化することに、人間は無意識のう

ちに何かを察知するのだと思ったのだった。