これもドラマを見て発見した古典名作。
恋焦がれて死んだ美しい娘の幽霊が、カラン、
コロンと下駄の音を響かせ、夜ごと愛しい男を
訪ねる怪談「牡丹燈籠」。
実はこの「お露・新三郎」の怪談話は、初代三
遊亭圓朝による長編落語のほんの一部にすぎな
かった。
原作は、お露の父・平左衛門とその忠臣・孝
助、お家乗っ取りを企む希代の悪女・お国と、
その間男・源次郎、強欲な町人夫婦・伴蔵とお峰。
男女の色と欲が生々しく交錯するドロドロの人
間ドラマであり、20年にもわたる壮大な敵討
ち、因果応報の物語。
その不朽の人間愛憎劇を、初めての完全映像化
したのが、この一作。
キモノが日常スタイルの私にとって、時代劇を
はじめとする和物ドラマは必ず見ている。
見るものがなくなれば探しに出かける。
もし、夢を叶えてくれると言えば、江戸時代へ
タイムスリップしたいのが、私の夢。